知らなかったでは済まない!過積載や荷物落下のリスクと、プロが実践する安全確認の習慣
「これくらいなら大丈夫だろう」「距離が短いから平気だ」という油断が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。トラックでの運搬において、積載ルールを守ることと荷締めを確実にすることは、運転免許を持つ者としての最低限のマナーであり、法的義務です。
万が一、走行中に荷物が落下したり、過積載の状態で事故を起こしたりすれば、高額な賠償金や厳しい刑事罰、さらには免許停止といった社会的信用を失うリスクが待ち受けています。この記事では、意外と知られていない過積載・落下事故の恐ろしさと、プロのドライバーが欠かさず行っている「安全確認のルーティン」について詳しく解説します。
1. 軽く考えると恐ろしい「過積載」の罰則とリスク
過積載とは、車両ごとに定められた「最大積載量」を超えて荷物を積むことです。軽トラックであれば350kgが上限ですが、これを超えると車両には想像以上の負担がかかります。
法律による厳しい罰則
過積載は、運転者だけでなく「荷主」や「運送事業者」まで処罰の対象となる重い違反です。
運転者への処分: 違反点数の加点、反則金(または罰金)。超過割合が著しい場合は、即座に免許停止処分となることもあります。
車両の挙動変化: 重量が重くなると、ブレーキをかけてから止まるまでの「制動距離」が大幅に伸びます。また、カーブで踏ん張りがきかず横転しやすくなるため、事故の発生確率が飛躍的に高まります。
故障の原因にもなる
過積載の状態での走行は、タイヤのバーストやサスペンションの破損を招きます。これらは走行中に発生しやすいため、大事故に直結する非常に危険な状態です。
2. 荷物落下事故が発生した時の責任の重さ
もし走行中に荷物を道路に落としてしまった場合、それが直接誰かに当たらなくても「道路交通法違反」となります。
道路交通法第71条(転落積載物等の防止)
運転者は、荷物が転落したり飛散したりしないよう、飛散防止の措置(ロープ掛けやシート被せ)を講じなければならないと定められています。
直接的な事故: 落下物が後続車に当たったり、後続車が避けようとして事故を起こしたりした場合、その全責任は「落とした側」にあります。
多額の賠償: 相手が死亡・重傷を負った場合の損害賠償額は、数億円にのぼることもあります。また、道路を損傷させたり、渋滞を引き起こしたりしたことによる社会的損失も計り知れません。
3. プロが実践する「絶対に緩まない」安全確認のルーティン
プロのドライバーは、自分の結び方を過信しません。「緩む可能性がある」という前提で、以下の安全確認をルーティン化しています。
出発直前の「全方位チェック」
荷積みが終わったら、車両の周りを一周し、以下の項目を目視と手で確認します。
手で揺らす: 固定したロープやベルトを強く手で引っ張り、荷物が車体と一緒に揺れるか確認します。ロープだけが動くようでは不十分です。
音の確認: 荷台を軽く叩き、浮いている荷物がないか、異音がしないかを確認します。
「5分走行後」の増し締め
荷物は走行中の振動によって、積んだ直後よりも必ず「沈み込み」ます。
出発して数キロ走ったところ、あるいは5分〜10分経過したタイミングで一度安全な場所に停車し、ロープに緩みが出ていないか確認します。この「最初の増し締め」を行うだけで、脱落リスクは大幅に減少します。
休憩ごとの点検
長距離を走る場合は、高速道路のサービスエリアやコンビニに立ち寄るたびに、必ず荷台の状態を確認しましょう。特に雨天時はロープが伸びやすいため、より頻繁なチェックが必要です。
4. 事故を防ぐための「攻め」の安全対策
結び方の技術以外にも、物理的な対策を組み合わせることで安全性を高められます。
防炎シートの活用: 砂利や細かいゴミ、軽量なキャンプ道具などは、ロープだけでは防げません。全体を丈夫なトラックシートで覆い、風の巻き込みを防ぐことが重要です。
滑り止めマットの設置: 荷台の床にゴム製の滑り止めマットを敷くだけで、荷物の前後左右へのズレを劇的に抑えることができます。
バックカメラとミラーの調整: 荷物で見えにくくなった後方をカバーするため、ミラーの角度を最適化し、可能であればバックカメラで走行中の荷台の様子を確認できるようにしておくと安心です。
5. まとめ:安全を積み込むのがプロの仕事
「これくらい大丈夫」という一瞬の妥協が、誰かの人生や自分の生活を壊してしまうかもしれません。過積載をせず、正しいロープワークを施し、こまめな確認を行う。この当たり前の積み重ねこそが、最も優れた運転技術です。
荷台に荷物を載せたとき、それは単なる物品ではなく「責任」を載せているのだという意識を持ちましょう。確実な荷締めと安全確認を習慣化し、今日も安全な運行を続けてください。
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