「トラックが止まる」損失は1日いくら?ダウンタイムをゼロにする車種選びとDPD故障対策
運送業や自営業において、トラックは単なる移動手段ではなく「稼ぐための道具」です。その道具が故障で止まる「ダウンタイム」が発生したとき、あなたが失うのは修理代だけではありません。
「今日は仕事にならないから休もう」――。その決断が、実は数十万円単位の損失に直結していることをご存知でしょうか。
特に近年のディーゼル車において、避けては通れないのが「DPD(排ガス浄化装置)」のトラブルです。一度警告灯がつけば、最悪の場合はエンジンがかからなくなり、多額の修理費と長期の稼働停止を余儀なくされます。
この記事では、トラックが1日止まることで発生するリアルな損失額を算出し、ダウンタイムを最小限に抑えるための車種選びや、DPD故障を未然に防ぐ具体的な対策を詳しく解説します。
1. 知っておくべき「ダウンタイム損失」のリアルな計算
トラックが1日稼働できないことで失われる金額は、想像以上に高額です。これを「休車損害」と呼びます。
1日あたりの損失額の目安
一般的な中型トラック(4tクラス)の営業収入をベースに考えると、1日あたりの損失は約3万円〜5万円にのぼると言われています。
直接的な売上減: 本来得られるはずだった運賃収入。
固定費の垂れ流し: 稼働していなくても発生するリース代、保険料、駐車場代、人件費。
代車費用: 仕事を穴埋めするために借りるレンタカー代(1日1.5万円〜3万円)。
もし部品の欠品などで修理に1週間かかれば、損失は20万円〜30万円。これに高額な修理代が加わるのですから、経営へのダメージは計り知れません。
2. 現代トラックの宿命「DPD(DPF)故障」を回避せよ
現在のディーゼルトラックにとって、最も多いトラブルの一つが「DPD(排ガス浄化装置)の目詰まり」です。
なぜDPDは詰まるのか?
DPDは排気ガス中のスス(PM)をフィルターでキャッチし、高熱で焼き払う装置です。しかし、「短距離走行の繰り返し」や「長時間のアイドリング」が多いと、温度が上がらずに焼ききれなかったススが堆積します。
故障時の恐ろしい修理費用
強制再生の繰り返し: ディーラーでの点検・処置で1回5,000円〜2万円。
フィルター洗浄: 5万円〜15万円。
アッセンブリー交換(全交換): 大型なら100万円、中型でも30万〜50万円の出費になることがあります。
対策:ダウンタイムをゼロにする「予防」の習慣
自動再生を中断しない: 再生中にエンジンを切るのが最もNGです。完了するまで待つ余裕を持ちましょう。
専用の高品質オイルを使う: JASO規格(DH-2など)に適合したオイルを使用しないと、フィルターが修復不能なほど早く目詰まりします。
定期的な高速走行: 時々エンジンを高回転まで回して排気温度を上げることで、ススの堆積を自然に焼き払うことができます。
3. 故障しにくい「強いトラック」の選び方
ダウンタイムを減らす最大の対策は、導入時の「車種選び」にあります。
信頼性とアフターシェアで選ぶ
日本国内において、部品の供給網が強く、整備拠点がどこにでもあるメーカーを選ぶのが鉄則です。
いすゞ(エルフ・フォワード): 国内シェアが高く、街の整備工場でも対応可能なケースが多いのが強み。
日野(デュトロ・レンジャー): 耐久性に定評があり、長距離走行でもへこたれないエンジン性能が魅力。
「新車リース」というリスク回避術
故障リスクを極限まで減らしたいなら、購入ではなく「フルメンテナンスリース」が有効です。
メリット: 最新の故障しにくい新車に乗れるだけでなく、万が一の故障時も代車が無償提供されるプランがあり、ダウンタイムを実質ゼロに抑えられます。
経費の安定: 突発的な高額修理費に怯える必要がなくなり、毎月の経営が安定します。
4. 中古トラックを買うなら「ココ」をチェック
予算の都合で中古車を選ぶ場合、以下のポイントを確認するだけで、購入後の故障リスクを半分以下に抑えられます。
DPDの作動履歴: 手動再生の頻度を確認。頻繁に行われている車両はフィルターが寿命に近い可能性があります。
インジェクター(燃料噴射装置)の状態: エンジン始動時の振動や白煙を確認。ここが痛んでいるとDPDの詰まりを加速させます。
記録簿の有無: 3ヶ月点検やグリスアップが定期的に行われている車両は、目に見えない箇所の劣化も少ないです。
5. まとめ:止まらないトラックが、最強の利益を生む
「修理代がかかるのは仕方ない」と諦める前に、日々の扱い方や導入方法を見直してみてください。
1日の停止=3万円以上の損失を強く意識する。
DPD対策はケチらない。 質の良いオイルと正しい再生手順を守る。
リースや代車付きプランを検討し、物理的に「仕事が止まらない環境」を作る。
トラックを止めないことは、単なる節約ではなく「攻めの経営」です。長期的な視点で、あなたの利益を最大化する選択をしていきましょう。
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