🤢 食中毒の「自力」での治し方:最優先すべき対処とNG行動
「食中毒かもしれない」と感じた時、まず最優先すべきは脱水症状の予防と安静にすることです。食中毒は、多くの場合、原因物質を嘔吐や下痢で体外に排出しきることで自然治癒に向かいます。
ただし、重症化するリスクがあるため、自己判断は禁物です。以下の自力でできる対処法を試みても症状が改善しない場合や、特定の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
1. 食中毒の「自力」対処で最優先すべきこと 💧
食中毒の症状(嘔吐・下痢・発熱など)によって、体から水分と電解質が大量に失われます。これが脱水症状を引き起こし、重症化の最大のリスクとなります。
🔹 1. 最優先:水分・電解質補給(経口補水液がベスト)
経口補水液(OS-1など): 水分と塩分(電解質)、糖分のバランスが最も優れており、脱水症状の予防・改善に最も効果的です。
スポーツドリンク: 糖分が多いため、水で薄めて飲むようにしましょう。
飲み方: 一度に大量に飲むと嘔吐を誘発することがあるため、スプーン一杯程度の少量を、10分ごとにこまめに摂るように心がけます。
避けるべき飲み物: 冷たい水、ジュース、炭酸飲料、アルコール、カフェインは胃腸に刺激を与えるため避けましょう。
🔹 2. 安静にする(体を休ませる)
休息: 免疫力や体力が落ちている状態なので、無理をせず、安静にして体力の回復に努めます。
嘔吐がある場合: 吐いたものが喉に詰まらないよう、身体を横向き(右を下)にして寝かせましょう。特に子どもや高齢者の場合は、窒息のリスクがあるため注意が必要です。
2. 食事と薬に関する重要な注意点 ❌
🔹 食事のルール:消化の良いものを少量ずつ
症状が落ち着いてきたら、胃腸に負担をかけない食事で栄養を補給します。
食べるもの: おかゆ、うどん(具材なし)、白米、豆腐、すりおろしリンゴ、バナナなど、消化に良いものを少量ずつ摂ります。
避けるべきもの: 脂っこいもの、刺激物(香辛料)、食物繊維が多いもの(きのこ、海藻、生野菜)、乳製品は、胃腸に負担をかけるため避けるべきです。
🔹 薬に関するNG行動:下痢止め・吐き気止めを自己判断で飲まない
下痢止め: 下痢や嘔吐は、体内の細菌や毒素を排出しようとする防御反応です。下痢止めを飲むと、これらを腸内にとどめてしまい、かえって症状を悪化させたり、回復を遅らせる可能性があります。
解熱鎮痛剤: 消化器系に負担をかけることがあるため、自己判断での服用は避けましょう。
✅ 対処: 市販薬を使用する場合は、必ず整腸剤(腸の調子を整える薬)を選び、用法・用量を守って服用するか、医師に相談してから服用しましょう。
3. 【重要】すぐに医療機関を受診すべき目安 🚨
以下の症状が見られたり、該当する方は、自己判断せずに速やかに病院を受診してください。
| 症状・状況 | 受診の緊急度 |
| 水分が全く摂れない、飲んでもすぐに吐いてしまう | 高(脱水症状の危険) |
| 高熱(38℃以上)が続く | 高(重度の感染症の可能性) |
| 血便が出る(便に血が混ざる) | 高(腸管の損傷などの可能性) |
| 症状が3日以上続く、または悪化している | 中〜高(自然治癒が難しい可能性) |
| ふらつきや意識障害など脱水症状による症状がある | 高 |
| 乳幼児、高齢者、妊婦、持病がある方 | 高(体力消耗が激しく、重症化しやすい) |
食中毒は原因菌によって治療法が異なります(抗菌薬が必要な場合など)。自宅での対処で改善しない場合は、必ず病院を受診し、適切な診断と治療を受けてください。